「子どもに英語を習わせたいけれど、早く始めなければ意味がないの?」
「英語学習には臨界期があると聞いたけれど、臨界期とはなんだろう?」
など、子どもの英語学習についての疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
小学校では2020年度から英語が必修化され始めていることもあり、英語学習に意欲を持っている保護者の方も多いようです。
そのような中で子どもの英語学習について調べてみると、「臨界期」や「臨界期仮説」といったワードを見かけることがあるかもしれません。そして、それが一体何なのか、気になった方もいるでしょう。
この記事では英語学習における臨界期について、解説していきます。子どもに効率良く英語学習をさせるコツも紹介するので、ぜひ役立ててください。
英語の臨界期とは
英語の臨界期仮説を簡単に説明すると、英語は学習をスタートするタイミングが遅くなると、ネイティブ並みの語学力を身に付けることができないということです。しかしこれにはさまざまな見解があり、確立した説ではありません。
臨界期は元々、動物行動学の概念として使われる用語です。想像しやすいのが、生まれたばかりのひな鳥に見られる刷り込みの現象です。ひな鳥の刷り込みは、生まれてから数時間~数日の間でしか起こりません。
このように動物にとって、生存のための基本的な能力を得るための期間のことを動物行動学上では臨界期と呼ぶのです。たしかにひな鳥にとっては自分が付いていく親を確定させることは、生きていくために必要なことです。
英語学習における臨界期仮説に話を戻します。なぜ英語学習に臨界期があるといわれるのかというと、それは外国語として学ぶ英語は誰でも100%習得できるわけではない、ということからです。
世界中でいくつかの年齢のグループを対象に英語を学習させ、その学習時間や学習環境によって英語の習得度合いがどのように変わるかを観察する実験が行われています。
こうした実験から必ずしも英語の早期教育が英語上達にとって重要なわけではない、ということも分かっていますが、やはり学習する際の年齢が英語習得に何らかの影響を与えていることも確かなようです。
それは子どもたちには学習環境が整っており、良質な知識を多くインプットできるからであったり、若いうちの方が英語の発音の違いを聞き取る能力を育てやすかったりするからです。
第二言語としての英語の習得には、環境や外的な要因が多く絡んでいるため、臨界期というものが本当にあるのかどうかは、今はまだはっきりとしていません
英語の臨界期については意見が分かれている
第二言語としての英語学習に臨界期があるかどうかについては、実は研究者によって意見が異なっているのが現状です。
さまざまな意見が混在していますが、12~15歳頃の思春期が臨界期だとする説が多数派です。しかしもっと早く、10~12歳頃が臨界期だという学者も、逆にもっと後だという学者もいます。
しかしどの年齢を臨界期だと考える学者であっても、英語学習を始めるのが早いほど習得がスムーズという意見は一致しているのです。
例えば移民の家族などをみると、そのことが分かりやすく現われます。子どもと大人がいる家族の場合、子どもは学校で英語の教科書や先生の話す正しい英語に触れ、さらに友だちと英語でコミュニケーションする場を得ます。するとその子どもはネイティブのような英語力を身に付けるのです。
一方でその両親はというと、子どもに比べて英語の発音に母語の訛りが出ます。また英語の習得スピードも子どもより遅いことが一般的です。
まったく違う説を唱える言語学者もいます。成人した大人であっても、子どもと同様に大量かつ良質な英語のインプットがあれば、子どもと同じようにネイティブ並みの英語力を身に付けられるというのです。
このように英語の臨界期については、さまざまな実験と解釈が溢れています。
英語学習は早いほうがいいとされるのはなぜ?
赤ちゃんは生まれてからすぐに母語の獲得をスタートさせます。そして両親や兄弟など、周りの人たちが話す言葉の音を聞き分けられるようになっていきますが、母語に不要な音を聞き分ける力は発達しません。
そのため日本人は英語のLとRの音の違いを聞き分けるのが難しくなるのです。しかし乳幼児の頃から英語にふれていると、LとRの発音も聞き分けられるようになっていきます。つまり幼い頃から英語の音に触れていると、特に発音やスピーキングの面で習得がスムーズに進みやすいのです。
一方でライティングは言語処理能力が必要となるため、ある程度大きくなってからでなければ習得が難しいといわれています。子どもに英語教育をするなら子どもの発達段階を考えながら、無理のないペースで行っていくことが大切です。
英語学習のスタートが早いことによるメリットは、他にもあります。学校で英語の学習が始まるころまで英語に馴染みがないと、英語学習に対して抵抗感を持つ場合がありますが、早期教育によってスムーズに学校での英語学習についていけるでしょう。
また英語を習う過程で出会うネイティブの教師や英語圏の文化に触れることで、世界基準でモノを見て、考えられる土壌を養うことができます。
英語学習が早いと日本語に影響が出る?
英語を早いうちから習わせると母国語である日本語の習得が遅くなってしまう、という話を耳にすることがあります。
しかしこの説については、日本にいながらにして英語を学習するEFL環境においては、あまり関係がないようです。EFLというのは、English as a Foreign Languageの略で、これに相反する言葉としてESLがあります。ESLは、English as a Second Languageの略です。
EFLは日本のように、英語が外国語として存在している環境のことで、ESLは日常的に英語が使われる環境のことです。この2つの絶対的な違いは、日常の中での英会話の頻度です。
日本に住んでいると、一般的には母語の習得に影響を及ぼすほどの英語を使用することはまれです。そのため英語学習による影響も受けにくくなります。
日本にいるとESLがどのような状態か、想像がつきにくいかもしれません。これは例えばインドやフィリピンのように、民族として持っている言語がありつつも、公用語として英語を採用しているような国の環境のことです。
これらの国で暮らす人々は、2つの言語を母語レベルで話すことのできるバイリンガルと呼ばれる人たちです。バイリンガルは脳による認知システムがモノリンガルと呼ばれる一つの母国語を話す人たちよりも複雑です。そして優れた認知力を持ち、難しい作業や処理をうまくこなせる傾向にあるともいわれています。
早期に英語教育を行う際の注意点
子どもが小さいうちから英語教育を行うことは、さまざまな利点があります。しかし子どもが幼いからこそ、気を付けたい点もあります。
続いては子どもに英語の早期教育をする際に注意したい点を解説します。
無理にやらせない
子どもは好きなこと、楽しいことであれば自分から興味を持ってくれることも多いでしょう。しかし好きだったはずのものでも、無理強いされてしまうと嫌気がさすことも。
そうなると英語そのものに対してマイナスなイメージを持つ可能性があり、英語学習が本格化してきたときに悪影響を及ぼしかねません。
幼少期に行う英語学習では、英語に興味を持たせてあげることが大切です。子どもならば気分が乗らない日もありますし、体調が優れないことなどもあるでしょう。そのようなときに無理をさせないことが大切です。
長い目で成長を見守る
幼少期は母語である日本語も十分に習得できていない状態です。まだまだ語彙や表現力が育っていません。そのような中で英語の学習をさせるため、子どもにとって負担のない範囲で少しずつ、長期に渡って英語に親しませてあげることをおすすめします。
ポイントは生活のなかに英語を自然と取り入れられるようにすることです。英語のアニメや歌を見聞きするのもいいでしょう。子どもが英語に対して「楽しい」という気持ちを持てるようにし、毎日触れる時間は少しずつでもいいので、長期間継続することが大切です。次第に、子どもは英語を習得していきます。
またネイティブの講師から直接英語を教えてもらうのもおすすめです。ネイティブ講師の話す英語のみならず、彼らのジェスチャーや話の端々に感じられる外国の文化などに触れていくことも、英語への興味を増す材料となるでしょう。
効率良く英語学習を進めるコツ
子どもの英語学習はどのようにすれば効果を上げていけるでしょうか。続いては、効率的に英語学習を進めるコツについて解説していきます。
褒める
子どもが英語に触れている中で、楽しそうにしているとき、何かができたときにはぜひ褒めてあげましょう。これは英語学習に限ったことではありません。子どもは褒められるとうれしさを感じてモチベーションが上がりやすいので、また同じことを繰り返してやろうという気持ちになります。
また褒められることは、子どもたちの自信につながります。英語に対して苦手意識を持っている子どもでも、褒められることが増えていくとだんだん英語に対する自主性が芽生えていくでしょう。
楽しませる
子どもは楽しいことが大好きです。英語学習が楽しいと思えれば、どんどんのめり込んでいく可能性もあります。そのためには遊びやゲーム感覚でできることを取り入れてみるのがおすすめです。子どもによっては、歌やダンスが好きな子もいるでしょう。そのような子どもに対しては振り付き、手遊び付きの英語の歌などを取り入れてみると楽しんでくれます。
自分の好きなことを通して英語に触れていくと自然と英語に馴染み、インプットしていくことができます。
家族みんなで学ぶ
子どもは親がしていることに自然と興味を持つ傾向があります。親が楽しそうに英語教材に触れていれば、子どもも一緒になって英語学習を進められるでしょう。
親と子どもが一緒に学ぶことのメリットとしては、生活のなかに英語を取り入れやすくなるという点があります。例えば車の中で英語のCDを聞いたり、朝ごはんを食べながら英語のラジオ番組を聞いたりなど英語に触れるチャンスを増やしていけば、英語のインプット量が各段に増えていくはずです。
頑張りをチェックできるように工夫する
自分の頑張りが目に見えて分かるような工夫があると、やる気を後押しすることができます。
目標とする英語学習、例えば英語教材のCDを聞くなどをした日には1枚シールを貼れる、スタンプカードに好きなスタンプを押せるなど、やったことが形になって見えるようにしみましょう。車の好きな子であれば車のシールを貼らせてあげるなど、趣向を凝らすと楽しめます。
日常的に英語に触れあえる環境を整える
CDやアニメなどで英語のインプットをすることも必要ですが、実際に英語でコミュニケーションをする環境があると英語力のアップが期待できます。英語を使って少しでも相手と意思疎通ができれば自信にもつながりますし、「英語を使うと外国の人とも話せる」ということを子ども自身が実感します。
英語を使う意味が分かるようになると、モチベーションが上がる子どもも多いようです。
まとめ
英語学習における臨界期仮説とは、英語をネイティブ並みに習得するには、学習スタートに期限があるということです。臨界期としてよくいわれているのは、思春期頃です。しかし、この仮説は確立されてはおらず、臨界期はないという言語学者もいます。
子どもに英語学習をさせる上では無理せず焦らず、長い目で継続的に学ばせることが大切です。英語に対して子どもの興味を惹く工夫も大切で、英語が嫌いになってしまわないように気を付けましょう。
しかしそのような点を、親の主導だけでクリアしていくのは大変です。オンライン英会話教室GLOBAL CROWNにはさまざまなメリットがあります。
子どもと相性がいい先生をマッチングするのはもちろん、飽きずに楽しく続けられるようにさまざまな工夫を行っています。また専用アプリで自習・レベルアップテストができるため、子どものモチベーションアップにつながります。無料体験レッスンが2回受けられるので、じっくり考えてから入会が可能です。
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