グローバル化した現代では、英語スキルがあれば将来の選択肢が大きく広がります。しかし実用的な英語を身に付けるには、継続的な学習が必要です。
本記事では、英会話の上達に欠かせないコミュニケーション・ストラテジーについて取り上げています。コミュニケーション・ストラテジーとは何か、どのような種類があるのか、そしてなぜ子どもの英語教育において大切なのかを解説しています。
コミュニケーション・ストラテジーが身につけば、言葉につまることなく、流暢に英会話を続けることも可能です。子どもの英語学習方法に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
英語教育のコミュニケーション・ストラテジーとは?
コミュニケーション・ストラテジー(伝達方略)とは、会話などにおいて言語能力不足を補い、意思疎通を図るための方法です。
特に学んでいる最中の外国語で会話する際は、言葉に詰まってしまうことも珍しくありません。相手の発言の意図が読み取れなかったり、返答のための適切な単語を知らなかったりと、母語以外での会話は難しいものです。
しかし会話途中で黙り込んでしまうと、英語ネイティブに対してはマイナスな印象を与えてしまうケースがあります。英語圏では積極的に発言しない人を「自分の考えがない」として、否定的に評価するケースも少なくありません。
沈黙による会話の中断を回避するのに役立つのが、コミュニケーション・ストラテジーです。語彙や文法力が不十分な場合や、相手の言っていることがわからない場合などは、コミュニケーション・ストラテジーを活用し、途切れのない円滑な意思疎通を実現するのも一つの方法です。
英語教育に役立つコミュニケーション・ストラテジーの種類
英語教育に役立つコミュニケーション・ストラテジーには、いくつか種類があります。ここでは「聞き返し」「言い換え」「意識的転移」「援助要請」「回避」といった主な5つの方法と、その他に覚えておくと役立つ方法を紹介します。
聞き返し
聞き返しとは、発言の反復や説明を要求し、相手の意図を正確に把握するためのコミュニケーション・ストラテジーです。
・反復要求
発言が1度で聞き取れなかったときに、同じ発言の繰り返しを要求することを指します。
(例:”Can you say that again?” 「もう一度言っていただけますか?」)
・説明要求
相手の話を聞き取れたにもかかわらず、意味や意図がわからない場合に、より詳しい説明を求める方法です。
(例:”What do you mean by that〜?” 「それはどういう意味ですか?」)
・聞き取り確認
発言を正しく聞き取れたか不安が残る場合に、質問することで確認をとる方法です。
(例:”Did you say~?” 「〜と言いましたか?」)
・理解確認
相手の発言を自分が正確に理解できているか、質問によって確かめることを言います。
(例:”Am I right in assuming that~?” 「〜という認識で合っていますか?」)
言い換え
言い換えとは、ある発言を別の言葉や言い方で表現するコミュニケーション・ストラテジーです。
・近似表現
語彙力が足りず、適切な語句がわからない場合に似た単語で代用することを指します。
(例:”Subway”「地下鉄」の話をしたいが、英単語がわからない場合に、”Train”「列車」で代用する)
・造話
言いたいことに対応する英単語を知らない場合に、新しい単語を作って代用することです。
(例:”Subway”「地下鉄」の話をする場合に、”Underground transportation”「地下の移動手段」で代用する)
・遠回し表現
適当な英単語がわからない場合に、相手に意図が伝わるよう、その詳細について描写することです。
(例:”Subway”「地下鉄」の話をする場合に、”The train that runs underground”「地下を走る列車」で代用する」
意識的転移
意識的転移とは母語など、別の言語からの翻訳に頼るコミュニケーション・ストラテジーを言います。
・逐語訳
英語での語彙や文法がわからない場合に、母語を一語一語、忠実にたどって訳すことです。(例:「地下鉄でノートパソコンをなくした」と言いたい場合に、語順がわからず、”On the subway, my laptop was lost”と表現する [正しくは”I lost my laptop on the subway.”])
・言語転換
カタカナ英語など、英語に似た母語をそのまま英語として使うことです。
(例:”Laptop”「ノートパソコン」という英単語を知らず、”Note paso-con”と表現する)
・コード切り替え
英語での表現がわからない場合に、部分的に母語を挟んで話すことを言います。コードスイッチングとも呼ばれます。
援助要請
援助要請とは英語がわからない場合に、相手に直接助けを要請するコミュニケーション・ストラテジーです。会話中に辞書や翻訳機能などを用いて、英語の意味を調べることも援助要請に含まれます。
例えば会話の途中で表現したい英単語がわからない場合は、直接会相手に質問することで、相手からの助言を得ることができます。(例:”How do you say~?” 「〜はなんと言いますか?」)
相手の発言の語尾を上げて、疑問文としてオウム返しすることで、相手からの説明を促すことも援助要請の一つといえます。
(例:”I take the subway to school”「私は地下鉄で学校に行きます。」という相手の発言を受け、”subway”という英単語を知らない場合、”Subway?” と疑問文のイントネーションで語句を繰り返すことで、その語句を意味を知らないことが相手にも伝わる)
回避
回避とは語彙力が足りないジャンルや話題については表現しないこと、複雑な文法の使用を避けることなどを言います。
例えば英語で話しかけられたが、聞き取れない場合や語句が難しい場合などに、直接の回答を避けて会話を終わらせてしまうことは、回避の一つです。(例:”I don’t understand”「私には理解できません」・”I’m sorry”「ごめんなさい」)
また、あまり詳しくなく、意味がわかりづらい話題の際に、その話題についてはあまり言及せず、全く別の話を始めることも回避に含まれます。会話の内容や単語を理解できずに黙り込んだり、相手の発言を無視する形になるのを防いだりするには、回避によって何かしらの返答をすることが時と場合によっては必要なケースもあるでしょう。
その他
その他のコミュニケーション・ストラテジーとしては、「時間稼ぎ」や「非言語コミュニケーション(物まね)」といったものが挙げられます。
・時間稼ぎ
特に具体的な意味はないフレーズを会話に挟むことで、返答を考えるための時間を作り出すことです。(例:”Hmm…”「えっと…」・“You know…”「ほら…」・“Let me see” 「そうだね…」・”How should I say it?”「どう言うべきだろう」)
・非言語コミュニケーション(物まね)
適切な英語表現がわからない場合は、ジェスチャーなどの非言語的な方法でも、意思疎通を図ることができます。例えばうさぎを表現したい場合は、2つの手を頭の上に立てることで、相手に意図を伝えられる場合があります。
英語教育の場でコミュニケーション・ストラテジーが必要な要因
英語教育の場でも、コミュニケーション・ストラテジーを取り入れることが必要だとされています。ここではその理由について解説します。
年齢
小学校低学年の子ども供であれば人前での発表にも抵抗がないケースが多く、英語教育の場でも自分から積極的に手を挙げて発表する場面は珍しくありません。反対に年齢があがるにつれ、英語教育において、人前での発話を避けようとする子どもの割合は増加します。
英語教育において苦手意識を生む要因の一つが、会話のつなげ方がわからず黙り込んでしまうことです。子どもたちの英語力を上達させるためには、早い段階からコミュニケーション・ストラテジーを教育に取り入れることが大切です。コミュニケーション・ストラテジーが身につけば、たとえ難しい英語表現にぶつかり、自分の言いたいことの表現方法がわからない場合でも会話を維持する力がつきます。
発音指導
英語教育において発音を身に付けることが大切なのは広く知られています。近年ではAETやALTといった英語ネイティブ講師による発音の指導も積極的に行われています。しかし、英語と日本語の発音では発声方法が異なるため、英語学習の初期には苦労することも珍しくありません。
正しい発音を身に付けさせようと、子どもの発音に対して頻繁に訂正してしまうことで子どもは英語への自信をなくし、アウトプットへの拒否感を抱いてしまうケースも少なくありません。英語を上達させる上で何よりも大切なのは、子どもが英語を楽しんで、積極的・継続的に学習を行うことです。子どもが英語を楽しく学ぶには、英語の発音指導が過剰にならないよう、バランスを考慮した英語学習を進めることが大切であるといえます。
語彙や表現
英語学習の年数が浅い子どもにとっては、知らない語彙や表現がたくさんあります。新しい英語を一つ一つ学んでいくことによって英語力は徐々に上達していくのです。しかし、わからない語彙や表現に出会った際、知っているふりをしたり、正確な意味を知らないまま放ったりしてしまう子どもも少なくありません。
そういったときに、コミュニケーション・ストラテジーが身についていれば、わからない英語表現に出会っても会話を継続し、そこから新しい英語の意味や使い方を知ることができるでしょう。知らないことにも臆することなく質問し、どんどん吸収する土台がコミュニケーション・ストラテジーによって作り上げられるのです。
コミュニケーション・ストラテジーも学べるオンライン英会話教室
コミュニケーション・ストラテジーによって、語彙や表現力に不足があっても、英会話をテンポよく続け、楽しく会話することができます。子どもの英会話力を伸ばすには、早い段階からコミュニケーション・ストラテジーを学ぶことがおすすめです。
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