物の名前が出てこなかったり、知らなかったりする時に、「〜みたいな」「〜ぽい」「的な」という言葉を使うことってありませんか?こうした「〜みたいな」「〜ぽい」のような便利な表現はもちろん英語にも存在します。今回はそんな「単語が出てこない時」のお助け英語表現をご紹介したいと思います。
はじめに
「あの先生、普通に優しくない?」「あのパスタ、普通においしくない?」最近、こうした表現を耳にすることもしくは使うことが増えている人は多いのではないでしょうか。しかしこの表現、よく考えてみたら「普通に優しい」って、「ちょっと優しい」でもなく「意外と優しい」でもなく、非常に曖昧な表現です。
他にも曖昧な表現は増えています。「ナシよりのアリ」とか「アリよりのナシ」(どっち?)とか。また街頭インタビューでは「っていうのがあって。」(っていう何?)という話し方もよく聞かれます。
実は、何かを評価する際に使う言葉が(特に若い世代ほど)どんどん曖昧化しているのです。いいとも悪いとも言い切らない、断定はしない。これは、他人に見られていることを強く意識して、相手と自分を傷つけないようにするためです。
オンラインの世界では、ひとつの話題に対してさまざまな意見や評価があふれています。そんな中ではっきりと断定するには勇気がいります。誰にも否定されないように無難に答える、何ごとにもエクスキューズの余地を残すことがネット時代の処世術なのです。
曖昧な表現をする人に対して、しっかり意見を聞きたい場では「もっとはっきり言ってよ」などと思ってしまいそうですが、日常会話では誰しも使うことがあるはず。英語で会話をしている人たちだって、常にはっきり物事を言いきっていることばかりではありません。先に述べたようにネット時代を渡り歩くためにも、ちょっと忘れっぽい人のためにも、微妙なニュアンスを伝えるためにも役立つ表現をこれからご紹介しますので、ぜひ英会話に取り入れてみてくださいね😉
お助け英語表現5選
「stuff」の使い方
ネイティブがよく使う言葉で「stuff」という表現があります。「もの」「こと」という意味の言葉です。
Don’t touch my stuff.(私のものを触らないで。)
Those are Ken’s stuff. (あれらはケンのものです。)
上記のように目の前に実際にあるものを指して「もの」と訳して使うことができます。
「my stuff(私のもの)」や「Ken’s stuff(ケンのもの)」といった形で、「人の所有物」を一言で表現する際にもよく使われます。
Nothing costs more than free stuff.(タダより高いものはない。)
また上記のように、「タダのもの」というような、漠然とした「もの」を表現するときにも便利な表現です。漠然とした表現なので、同時に少しいい加減な言い方にも聞こえます。
I can’t eat such horrible stuff.(こんな不気味なものは食べられない。)
Do you call this stuff wine?(こんなものがワインと言える?)
また、stuffは「まずいもの」や「ガラクタ」「たわごと」といったニュアンスもある表現です。「horrible stuff(まずいもの)」や「this stuff (こんなもの)」など、ものに対するネガティブな印象を与えるため、使い方によっては失礼にあたります。基本的に、stuffを「もの」「こと」として使う際には、フォーマルな場面を避け、カジュアルな場面で使う方が無難でしょう。(stuffには「詰め込む」という意味もあり、その意味の場合はフォーマル、カジュアル関係なく使えます。
I don’t believe in ghost and stuff like that.(私はおばけとかそういうものは信じてない。)
「stuff」を含むフレーズでネイティブがよく使う表現に、「stuff like that」という言葉があります。「〜とかそういうもの」という意味です。例えば「ghost and(おばけとか)」の後で「宇宙人」と言いたかったけれど、「宇宙人」の単語が出てこなかったときに、とりいそぎ「stuff like that(とかそういうもの)」と発言することで文章を完結できるので、とても便利なお助けフレーズです。なお例文の「believe in」は「〜の存在などを信じる」という意味ですよ。
「-ish」の使い方
ボーイッシュという言葉がありますよね。「男の子っぽい」という意味です。「childish(子供っぽい)」や「foolish(ばかげている)」など、すでに単語帳などにも載っている言葉もありますが、これらも元の言葉に接尾語の「-ish」がついてできた言葉です。
既存の単語に「-ish」をつけることで、「ぽい」「〜のような」などの意味になります。例をみてみましょう。
I’m feeling feverish.(熱っぽい。)
She is Kate Winslet-ish.(彼女、ケイト ウィンスレットぽいね。)
形容詞や名詞、人物の名前など、どんな単語にも「-ish」をつけて「〜ぽい」と表現することができるので、便利な表現です。例文では「fever(熱)」に「-ish」をつけて「熱っぽい」、「Kate Winslet(ケイト ・ウィンスレット)」に「-ish」をつけて「ケイト ウィンスレットっぽい」となっています。
また「-ish」は下記のように、時間や年齢につけると、「〜ごろ」「〜位」という意味合いにもなります。
I’ll pick you up at sevenish.(7時ごろに迎えにいくね。)
She is fortyish.(彼女は40歳位です。)
「seven(7時)」に「-ish」をつけて「7時頃」、「forty(40歳)」に「-ish」をつけて「40歳位」ということですね。
さらに、下記のように「色」に「-ish」をつけて「〜色っぽい」と表現することもしばしばあります。
The snake had a yellowish color.(その蛇は黄色っぽい色だった。)
正確には何色といえばいいかわからないけど、近い色ならわかるという時、この「-ish」を使えば伝えられる可能性が高まりますね。また「黄色がかった緑」などという時にも「yellowish green」というように表現できるので、デザインの分野などでは知っておきたい言葉です。
なお、「-ish」もどちらかというとカジュアルな表現ですので、親しい友人や家族との間で使いましょう。
「-y」の使い方
「-ish」と似た表現で、名詞の後に「-y」をつけて「ぽい」と表現することもあります。
It tastes soapy.(石鹸ぽい味がする)
Dry eye syndrome often causes a sandy sensation in the eyes.(ドライアイ症候群のせいで目がよく砂っぽい感じになる。)
味や匂い、感覚などに対して「-y」をつけて「〜ぽい匂い」「〜ぽい味」「〜ぽい感じ」と表現します。「soap」に「y」をつけて「soapy(石鹸ぽい)」、「sand」に「-y」をつけて「砂っぽい」ということですね。こちらもカジュアルな表現です。なお例文の「syndrome」は「症候群」、「cause」は「引き起こす」、「sensation」は「感覚」という意味です。
「I was like〜」の使い方
「like」は「好き」以外に「〜のような」という意味がある単語です。この「〜のような」を元にしたフレーズで、最近とくにネイティブがよく使うのが「I was like〜」という表現です。
I was like, what?! what’s going on?(私はその時、何?!何が起こってんの?って感じだった。)
「I was like」は「I though (〜と思った)」「I said (〜と言った)」に近い表現です。「I was like」の後に思ったことや言葉がそのまま入り、その時の状況を再現し、演技しているような雰囲気を表現してくれます。
「I was like」だけではなく主語を「she」や「He」に変えて表現することも可能です。再現するという点もあり、口語で使われるカジュアルな表現ですので、フォーマルな場やビジネスパートナーとの会話では慎みましょう。
「-wise」の使い方
「wise」は「賢い」という意味で覚える単語というイメージですが、単語の後に接尾語として「-wise」をつけると、「〜的な」という表現になります。
Design-wise, I like this shirt.(デザイン的にはこのシャツが好き。)
Quality-wise, this one is the best.(クオリティ的にはこれが一番だね。)
「business-wise(ビジネス的に)」「price-wise(価格的に)」「time-wise(時間的に)」など、ビジネスの場面でも使える表現です。知っている名詞につけることで「〜的に」「〜的な」という表現をしてくれるのでとても便利ですね。なお名詞につける際には、「-wise」とハイフン(-)をつけてもいいですし、つけずに「timewise」などと表現することもありますよ。
「単語が出てこないときに使える英語表現」がわかったら
「ぽい」「的な」「みたいな」といった表現は、それをしっかりと表現する単語や言葉を持ち合わせていないときにとても便利な言葉です。また一番近いニュアンスを伝えたい時や、名詞は知っているけど、その意味の副詞や形容詞を知らない時にも「-ish」や「-wise」などを使うことで簡単に文章を作ることができるので、ぜひ使いこなしてみてください。ただし日本語と同じくカジュアルな場面で使う事が多い表現ばかりなので、使う相手や場所には注意してくださいね。
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